はじめに
夜間に営業するバーやガールズバー、コンカフェなどを新たに開業しようと考えている方にとって、最初に立ちはだかるのが「風営法」と「深夜酒類提供飲食店営業の届出」に関する手続きです。
「そもそも届出って本当に必要なの?」「許可と何が違うの?」「何を準備すればいいの?」
こうした疑問を持たれている方は非常に多く、手続きを曖昧にしたまま営業を開始してしまい、警察からの指導や営業停止のリスクに直面してしまうケースも少なくありません。
特に、午後10時以降にお酒を提供する店舗は、「深夜酒類提供飲食店営業」の届出が法的に義務付けられており、怠ると風営法違反となる可能性があります。
この記事では、「風営法」との関係性や、届出が必要となる業種の具体例、手続きの流れ・必要書類・リスクまでを、行政書士監修のもと専門的かつわかりやすく解説します。
開業準備をスムーズに進め、安心・合法的に営業をスタートするための第一歩として、ぜひ最後までご覧ください。
深夜酒類提供飲食店営業とは?
事前に飲食店営業の許可が必要
深夜にお酒を提供するバーやスナック、コンカフェを営業する場合、前提として飲食店営業許可(食品衛生法に基づく許可)を取得しておく必要があります。
これは、深夜酒類提供飲食店営業の届出を提出する前提条件となるもので、保健所が所管する許可です。
この飲食店営業許可がない状態では、たとえ深夜営業の届出をしても営業することはできません。
厨房設備や衛生管理体制など、一定の基準を満たしたうえで保健所に申請し、現地調査を経て初めて許可が交付されます。
つまり、深夜酒類提供飲食店営業の届出は、飲食店としての営業体制が整っていることが大前提なのです。
「風営法」との関係性
「深夜酒類提供飲食店営業」とは、午後10時以降にお酒を提供する飲食店に対して義務づけられている風営法に基づく届出制度です。
風営法(正式名称:風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)は、風俗営業や深夜営業による地域住民への悪影響を防止することを目的としています。
この「深夜酒類提供飲食店営業」は、風営法における“届出制”の営業類型に分類されます。
また、同じく風営法の対象となる「風俗営業」は“許可制”であり、営業形態・接待の有無により分類が異なります。
区分 | 接待の有無 | 主な営業例 | 許可 / 届出 |
---|---|---|---|
風俗営業 | あり | 接客・接待を伴う営業 | 許可制 |
深夜酒類提供飲食店営業 | なし | 22時以降にお酒を提供する飲食店 | 届出制 |
接待行為を行わない店舗で、かつ午後10時以降にお酒を提供する場合にこの「深夜酒類提供飲食店営業」の届出が必要となります。
対象となる店舗の例
届出の対象となるのは、以下のような深夜営業の飲食業態で接待行為を行わない店舗です。
- バー(深夜営業あり、接待なし)
- ガールズバー(接待なしの形式で、女性スタッフと会話できるだけの営業形態)
- コンカフェ(コンセプトカフェ)(メイドやコスプレ等の接客要素があっても「接待」がない場合)
- スナック(深夜に営業し、接待を行わない場合)
※「接待あり」と判断されると風俗営業の許可が必要になるため、営業形態の内容に十分注意が必要です。
営業できる時間帯の制限
深夜酒類提供飲食店営業には、営業時間に関する明確なルールがあります。
- 営業可能な時間帯:午後10時~翌朝6時まで
- 24時間営業は不可
- 昼間のみの営業(例:ランチ営業など)で、深夜営業を行わない場合は届出不要
つまり、「深夜に営業したいけれど接待は行わない」という業態(ガールズバーやコンカフェなど)は、必ずこの届出を行う必要があります。
届出をせずに営業した場合は、風営法違反として処罰の対象となるため、注意が必要です。
風営法について、もっと詳しく知りたい方は以下の記事で詳しく解説を行っています。ぜひご確認ください。
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届出が必要なケースと不要なケースの違い
「深夜酒類提供飲食店営業」の届出が必要かどうかは、営業する時間帯や業態の内容によって異なります。
誤って届出を怠ると、風営法違反に該当する恐れがあるため、事前の確認が極めて重要です。
ここでは、届出が必要なケースと不要なケースの違いを明確に解説します。
届出が必要な条件とは?
以下のすべてに該当する場合、「深夜酒類提供飲食店営業」の届出が必要です。
-
午後10時以降も営業している
深夜の時間帯(午後10時~翌朝午前6時)に営業を行っている場合は、たとえ営業時間の一部でも届出対象となります。 -
酒類の提供が主な目的である
提供メニューの中心がアルコールであり、客層が「お酒を楽しむ」ことを主な目的としている店舗が該当します。 -
接待行為を行っていない
接客スタッフがお客さまに付き添い、談笑・お酌などの「接待行為」を行っていないことが条件です。
届出が不要なケース
一方で、以下のようなケースでは「深夜酒類提供飲食店営業」の届出は不要です。
-
昼営業のみの店舗である
営業時間が午後10時までで、深夜にわたって営業しない場合は対象外です。
例えば11時〜21時営業のカフェなど。 -
飲食がメインで酒類はサブ(補助的)要因として取り扱っている
アルコールを取り扱っていても、主な提供物が食事であるレストランや食堂は対象外です。
ただし、深夜営業の場合は状況により届出が必要になることがあります。 -
接待を行っており「風俗営業」に該当する店舗
接待を含む営業形態であるキャバクラやホストクラブ、スナック(接待あり)などは、深夜酒類提供飲食店営業の届出ではなく、風俗営業許可が必要です。
【注意ポイント】
「接待なしのガールズバーだから届出不要」と誤認して営業を始めてしまうケースが多く見られますが、“午後10時以降に酒類を提供する”時点で届出対象になります。
届出を怠ると、無届け営業として罰則(営業停止・罰金等)を受ける可能性があるため、十分に注意しましょう。
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深夜営業届出の申請手続き|必要な流れと書類一覧
ここでは、申請の手続きの流れと必要書類をわかりやすくご説明します。
届出の基本的な流れ
深夜営業の届出は、一般的に次のようなステップで進みます。
- 店舗物件の契約・内装の確認
- 必要書類の準備(図面、営業の概要など)
- 管轄の警察署の生活安全課へ届出提出
- 受理証の発行 → 営業開始
まずは深夜営業が可能な立地・用途地域で物件を契約し、店舗内装が法令に適合しているかを確認します。
(※照明の明るさ、個室の有無などが基準に影響してくるため、注意が必要です。)
管轄警察署に提出する各種書類を揃えます。
特に、平面図や営業の概要書は専門的な知識が求められるため、行政書士に依頼するケースが多いです。
店舗所在地を管轄する警察署の生活安全課へ書類一式を提出します。
書類審査後、正式に届出が受理されれば、「受理証」が交付され、晴れて営業開始が可能です。
※届出の受理前に営業を開始するのは絶対NG!※
届出制とはいえ、提出=即営業可能ではなく、「受理証の交付」があってはじめて合法的に営業できます。
事前にしっかりと準備をしましょう。
必要な書類一覧
書類名 | 内容・目的 |
---|---|
営業の概要書 | 営業時間・営業形態・提供内容・従業員数などを記載。 業種や営業内容の確認のために必要です。 |
営業所の見取り図・平面図 | 客室・カウンター・厨房・トイレ・出入口などの構造を明記。 構造要件を満たしているかが審査対象になります。 |
賃貸契約書の写し | 営業に使用する物件の使用権を証明する書類。 契約者が申請者と一致している必要があります。 |
法人登記事項証明書(法人の場合) | 会社名義で営業する際に必要な、登記情報の証明書類です。 |
住民票・身分証明書(個人の場合) | 個人名義での営業において、本人確認のために提出が必要です。 |
書類作成時の注意点
作成する書類の中でも、特に平面図や見取り図は専門的な作図基準があり、誤った図面を提出すると届出が受理されません。
照度計算や構造図の整合性なども審査対象となるため、行政書士に図面作成を依頼するのが一般的で安全です。
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届出をしないとどうなる?違反リスクと罰則
「深夜酒類提供飲食店営業」の届出を怠ると、風営法違反として厳しい処分を受ける可能性があります。
また、不備や虚偽申請も同様にリスクが高く、事業の継続そのものに悪影響を及ぼす恐れがあります。
無届営業のリスク
届出を行わずに深夜営業を開始すると、以下のようなリスクに直面します。
-
警察による立入検査の実施対象に
無届営業は警察(生活安全課)に把握されやすく、抜き打ちの立入調査が行われることもあります。
調査では、営業時間や提供内容、接待の有無などが厳しくチェックされます。 -
営業停止命令・過料・罰金の可能性
無届営業が発覚すると、警察から営業停止命令や指導が入るだけでなく、風営法第45条違反による過料(30万円以下)や罰金刑が科されるケースもあります。 -
刑事責任を問われる可能性も
悪質な場合や、再三の警告にも従わない場合は、刑事罰の対象となり、営業者が略式起訴や前科を持ってしまうリスクも発生します。
一度「違反店舗」のレッテルが貼られると、周囲の信頼や物件オーナーとの関係にも悪影響を及ぼしてしまうことを理解しておきましょう。
届出の不備・虚偽申請に注意
届出をしたからといって安心ではありません。
もし提出した書類に、内容の不備や虚偽の記載があれば、以下のようなリスクがあります。
-
書類不備で再提出 → 営業開始の遅延
図面に不備がある、署名が抜けている、添付書類が不足しているなどのミスがあると、警察署から差し戻し・再提出の指示があり、営業スケジュールが後ろ倒しになります。 -
意図的でなくても「虚偽申請」と判断されるケースも
営業内容を正確に記載しない、営業時間を偽るなどの申請は、意図的でなくとも虚偽申請と見なされ、処分対象となる恐れがあります。 -
許可・届出の取り消しのリスク
虚偽の内容で届出が受理された場合でも、後から発覚すると営業停止や届出の取消し処分を受ける可能性があり、営業継続に大きな支障が出てしまいます。
届出は“単なる形式的な手続き”ではなく、「法令遵守と営業の信頼性」を担保する重要なプロセスです。
図面や営業内容に不安がある場合は、風営法に精通した行政書士に相談・依頼することで、違反のリスクを未然に防げます。
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行政書士に相談・依頼するメリットとは?
- 特に難しい図面作成・書類作成を丸投げできる
- スムーズな届出と確実な受理ができる
- 警察署とのやり取りも代行
届出には、平面図や照度計算書など、細かな基準に沿った図面の提出が必要です。
市販のテンプレートでは通らないことも多く、過去に警察署で受理された実績のある行政書士に依頼するのが安心です。
行政書士に依頼することで、書類の不備や提出後の差し戻しリスクを大幅に軽減できます。
問い合わせや修正対応などの警察とのやりとりも代行してもらえるため、開業準備に集中できます。
さらに、過去の検査傾向やチェックポイントを把握しているため、書類の最終確認やアドバイスも受けられます。
以上のように、行政書士に相談・依頼することで得られるメリットは多くあります。
相談のタイミングとしては、物件が決まった段階で、なるべく早めに相談しておくとスムーズに届出の準備が進められるでしょう。
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よくあるご質問
Q.深夜営業届出と風俗営業許可、両方必要な場合もある?
A.基本的に、同じ店舗・同じ申請者で「風俗営業許可」と「深夜酒類提供飲食店営業の届出」の両方を取得することはできません。
これは各都道府県の公安委員会(県警)でも原則として認められておらず、営業形態として両立が不可能であるためです。
ただし、非常に稀な例として、申請者が異なる場合に、風俗営業の営業時間が終了した後、別の名義人が深夜営業を行うといったケースはありますが、これは例外的で厳格な要件を満たす必要があるため、現実的には難易度が高い運用になります。
Q.接待ありにするか迷っている場合はどうすればいい?
A.接待を行う場合は「風俗営業許可」が必要で、届出だけでは営業できません。
一方、「接待なし」で営業を開始し、後から変更したい場合は、新たに許可の取り直しが必要になることもあります。
初期段階でどのような接客スタイルにするかを検討し、将来的な展望も含めて方針を固めておくことが重要です。
Q.法人でも問題なく届出できますか?
A.法人名義でも届出は可能です。
法人で届出を行う場合は、登記事項証明書や代表者の住民票など、法人用の必要書類を準備することになります。
また、実質的な運営者や責任者が誰になるかによって、人的要件の確認も必要となるため、個人名義とは異なる注意点があります。
スムーズな申請のために、法人登記内容や役員構成を事前に確認しておきましょう。
ご不明点がある場合や営業スタイルにお悩みの方は、開業前の段階から弊社にご相談いただくのが確実です。
専門知識を持つ行政書士が、最適な手続き方法をご案内いたします。
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【まとめ】深夜営業を安心して始めるために、“行政書士のサポート”が鍵
深夜にお酒を提供するバーやコンカフェ、スナックなどの開業には、「深夜酒類提供飲食店営業」の届出が必要不可欠です。
この届出を怠ったまま営業を始めてしまうと、営業停止命令や罰金、悪質な場合は刑事罰といった重大なリスクが発生します。
また、申請には照度や構造を含む店舗図面の作成、正確な書類の準備が求められ、形式や内容に不備があると届出が受理されず、営業開始が大幅に遅れるケースも少なくありません。
だからこそ、風営法に精通した行政書士へ早い段階で相談・依頼することが、最も安心で確実な道となります。
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