はじめに
バー・スナック・キャバクラなどを開業する際、最初に直面する最大のハードルが風営法における場所的要件です。
これを満たさなければどれだけ内装を整えても、許可が下りず開業できません。
これまで多くの方が物件を借りた後に立地条件の不備に気づき、高額な違約金や工事費の無駄を発生させてしまうケースを多く耳にしてきました。
そこで本記事では、行政書士としての実務経験に基づき、風営法の場所的要件とは何か、失敗しないための基本的な知識を専門的に解説します。
本記事を参考に、物件選びの段階で必ず確認すべきチェックポイントを押さえ、スムーズに開業準備を進めましょう。
風営法における「場所的要件」とは?
風営法に基づく営業許可を取得する際、最も重要となるのが「場所的要件」です。
これは、バー・スナック・キャバクラなどの風俗営業を営む場合に、その立地が法的に適切かどうかを判断するための基準を指します。
物件選びが最重要になる理由
物件選びを誤ると、いくら店舗を改装しても営業許可そのものが下りないため、開業が不可能となります。
つまり「物件選びの段階で勝負が決まる」と言っても過言ではないのです。
店舗を出す場所が法律のルールに合っているかどうかを判断する基準で、例えば次のような条件が含まれます。
- 学校や病院、児童福祉施設から一定の距離があるか
- 都市計画や用途地域の規制に反していないか
特に注意すべきポイント
特に注意すべきなのは、「居抜き物件だから大丈夫」という思い込みです。
以前に同じ業種が営業していた物件であっても、当時の規制や周辺環境と現在の基準は異なる可能性があります。
実際、居抜き物件をそのまま借りて改装したものの、立地要件を満たさず許可が下りなかった、というトラブルは少なくありません。
このリスクを回避するためにも、契約前に行政書士などの専門家へ相談することが不可欠です。
なお、風営法の基本的な知識や必要書類などについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
この記事では制度の全体像を解説しているため、本記事とあわせて読むことで理解がさらに深まります。
開業準備は「法のプロ」に任せて、
“お店づくり”に専念を
私たちは福岡エリアを中心に、バー・スナック・コンカフェ等の開業支援実績が豊富な行政書士チームです。
「本業に集中したい」「開業日までに間に合わせたい」という方にこそ、私たちのサポートをお勧めします。
用途地域による制限
風営法の営業許可を取得する際、最も大きな壁となるのが用途地域による制限です。
都市計画法に基づいて、各地域は「住居系」「商業系」「工業系」などの用途に区分されており、風俗営業や特定遊興飲食店営業は住宅地での営業が厳しく制限されています。
ここでは、どの地域で営業できないのか、また出店可能かどうかを確認する方法を解説します。
住宅地では営業できない業種が多い
キャバクラやホストクラブ、パチンコ店、ゲームセンターなどの業種は、以下のような住居系用途地域では原則として営業できません。
-
第一種低層住居専用地域
一戸建てが中心の静かな住宅街。基本的にお店や風営法対象の営業はNG。 -
第二種低層住居専用地域
住宅街が中心だけど、小さなスーパーや学校などはOK。風営法対象の営業はNG。 -
第一種中高層住居専用地域
マンションや病院など、中高層の建物が立ちやすい地域。風営法対象の営業はNG。 -
第二種中高層住居専用地域
マンションに加えて、小さな店や事務所も立てられる地域。ただし風営法対象の営業はNG。 -
第一種住居地域
住宅が中心だけど、スーパーや映画館など生活に必要なお店はOK。風営法対象は基本NG。 -
第二種住居地域
住宅に加えて、カラオケやパチンコなども建てられる地域。風営法対象は制限あり。 -
準住居地域
大きな道路沿いによくある地域。家も建てられるし、店舗や自動車関連の施設もOK。風営法対象は条件付きで可能な場合もある。 -
田園住居地域
農地と一緒に住むことを想定した地域。基本は農業と住宅用。風営法対象は不可。
これらは「静かな住環境を守る」「子どもや青少年を有害環境から保護する」といった目的があり、住宅地と風営法対象店舗は両立できないとされているのです。
たとえ「住宅地のすぐそばに居抜きのスナック物件があった」としても、用途地域が住居系に指定されていれば、許可は下りません。
この点を軽視すると、契約後に「営業できない物件だった」という致命的な失敗につながります。
出店可能地域を確認する方法
では、どうすれば「この地域で開業できるのか」を確実に調べられるのでしょうか。
確認方法は主に次の3つです。
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市区町村役場に直接問い合わせる
建築指導課や都市計画課などに確認すれば、用途地域の指定を教えてもらえます。
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都市計画図を閲覧する
多くの自治体は「都市計画図」をホームページで公開しています。
地域の色分けを見れば、住居系・商業系・工業系の用途を把握できます。
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行政書士に依頼する
専門家に依頼すれば、用途地域の確認だけでなく「実際に許可が下りる可能性があるか」まで調べてもらえるため安心です。
開業を確実に進めたい場合は、行政書士への相談をおすすめします。
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保全対象施設からの距離制限
風営法に基づく許可申請では、用途地域だけでなく保全対象施設との距離も厳しく制限されます。
店舗を開業できる場所であっても、近隣に保全対象施設がある場合には許可が下りないケースが多いため、事前の調査が不可欠です。
規制の対象となる主な施設
風営法で規制対象となる保全対象施設は以下のとおりです。
- 学校(小学校・中学校・高等学校)
- 幼保連携型認定こども園
- 助産施設・乳児院・母子生活支援施設
- 保育所・児童厚生施設・児童養護施設
- 障害児入所施設・児童発達支援センター
- 児童心理治療施設・児童自立支援施設・児童家庭支援センター
- 病院・図書館
- 入院施診療所
特に注意が必要なのは、入院施設のある診療所や認可保育園です。
これらはオフィスビルや商業ビルの一室に入居している場合もあり、地図だけでは把握できないことがあります。
そのため、同じ建物にこうした施設が入っていないかも必ず確認しましょう。
距離制限の具体例
距離制限は施設の種類や地域(商業地域か、それ以外か)によって異なります。
代表的な規制は以下のとおりです。
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小学校・中学校・高等学校・幼保連携型認定こども園
・商業地域:70m以上
・商業地域以外:100m以上
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助産施設・乳児院・母子生活支援施設・保育所・児童厚生施設・児童養護施設・障害児入所施設・児童発達支援センター・児童心理治療施設・児童自立支援施設・児童家庭支援センター・病院・図書館
・商業地域:50m以上
・商業地域以外:70m以上
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入院施設がある診療所
・商業地域:30m以上
・商業地域以外:50m以上
自治体によっては独自の距離規制が定められている場合があるため、必ず管轄の警察署や自治体に確認が必要です。
実際の確認方法
距離制限を調べる際には、以下の手順が有効です。
-
地図の確認
公開されている地図や都市計画情報から、おおよその距離を把握する。
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現地調査
ビルのテナントや周辺施設を実際に歩いて確認する。特に小規模な保育施設や診療所は見落としやすい。
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専門家への依頼
行政書士など、風営法許可に詳しい専門家に依頼することで見落としを防ぎ、開業までのリスクを減らす。
風営法に基づく開業を検討する際は、用途地域の制限と並んで「保全対象施設との距離制限」が大きなハードルとなります。
開業希望者は必ず地図・現地調査・専門家のチェックを組み合わせて確認するようにしましょう。
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管理者不在や未選任のリスク
風営法において、管理者は店舗運営の中心的な役割を担います。
管理者が不在、もしくは未選任の状態で営業を行うことは、店舗にとって重大なリスクを伴います。
具体的には以下のような法的・運営上の問題が発生します。
営業停止命令のリスク
管理者不在や適切な管理体制の欠如は、風営法違反として行政から営業停止命令を受ける可能性があります。
営業停止命令が下されると、一定期間店舗の営業が制限され、売上に直接的な損失が発生し、経営に与える影響は甚大です。
許可取消処分のリスク
風営法の許可を受けて営業している場合でも、管理者が未選任であると許可取消処分の対象になります。
許可取消となると、再申請には時間とコストがかかる上、信用低下による集客への影響も避けられません。
無断で営業を継続した場合、さらに重い行政処分が課されることがあります。
罰金刑のリスク
管理者不在のまま営業を行うと、数十万円規模の罰金刑が科されることがあります。
特に繰り返し違反があった場合は、罰金額が増加するだけでなく、刑事責任を問われる可能性もあります。
従業員教育・安全管理の不備
管理者が不在の店舗では、従業員教育や安全管理が十分に行き届かないことが多く、結果として風営法違反につながりやすくなります。
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よくあるトラブル
風営法の営業許可を取得するうえで、よくある事例が「過去に同業種が営業していた物件だから大丈夫」という思い込みや、居抜き物件に関するトラブルです。
実際には、このような誤解が原因で数百万円単位の損失につながるケースも少なくありません。
ここでは、特に注意すべき代表的なトラブル事例を解説します。
「以前営業していたから大丈夫」は危険
スナックやキャバクラ、パチンコ店、ゲームセンターなど、過去に同様の業種が入っていた物件を見つけると「ここなら許可が下りるはず」と考えてしまいがちです。
しかし、これは非常に危険な勘違いです。
風営法における用途地域や距離制限は、法改正や自治体の条例によって変わる場合があります。
さらに注意すべきは、前テナントが無許可営業をしていた可能性です。
許可を取得せずに営業していた店舗が閉店した場合、その物件には「実際に営業していた」という事実だけが残り、物件選びの判断を誤らせてしまいます。
このようなケースでは、新たに許可を申請しても不許可となり、結果的に開業できません。
契約後に許可が下りず大損するケース
風営法に基づく営業許可は、契約さえすれば下りるものではありません。
特に居抜き物件の場合、内装が整っているため「すぐに営業できる」と思い契約してしまい、後から許可が下りないと判明するトラブルが後を絶ちません。
例えば、以下のような損失が代表的です
- 保証金の没収:テナント契約時に支払った保証金が返還されない
- 改装費用の無駄:営業許可を前提に改装工事を進めたものの、不許可となりすべてが無駄になる
- 時間的ロス:開業予定日から大幅に遅れ、従業員採用や広告費用なども損失につながる
特にスナックやキャバクラなどの飲食系風俗営業、パチンコやゲームセンターといった遊技系業種は、立地条件のハードルが高いため、契約前に十分な調査を行うことが不可欠です。
こうしたトラブルを回避するためには、契約前に行政書士などの専門家に依頼して現地調査を行うことをおすすめします。
専門家であれば、最新の条例や地域制限を踏まえた正確な判断が可能なため安心です。
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許可が下りる立地かどうか確認する方法
風営法の許可申請を検討する際に、最も重要なのがその物件が許可を下ろせる立地かどうかです。
ここでは、自分でできる確認方法と、行政書士などの専門家に相談するメリットを解説します。
自分でできる確認方法
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役所で都市計画図を調べる
店舗を出店しようとする地域が「用途地域」のどこに該当するのかを確認します。
市区町村役場や都市計画課に問い合わせると、用途地域を示した都市計画図を閲覧できます。
多くの自治体では公式ホームページ上でも公開されているため、事前にインターネットで調べることも可能です。 -
現地を歩いて施設を確認する
学校、病院、児童福祉施設、図書館などの「保護対象施設」が近くにないかを実際に見てチェックします。
行政書士などの専門家に相談するメリット
風営法に基づく営業許可の取得に頼りになるのが、風営法に精通した行政書士などの専門家です。
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法律や条例に基づいた正確な判断が可能
自治体ごとに異なる規制や細かいルールを把握し、客観的かつ正確に「営業可能かどうか」を判断してもらえます。
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物件契約前に確認できる
契約締結後に「実はこの立地では許可が下りない」と判明するのは大きなリスクです。
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余計なコストや開業遅延を防げる
許可が下りなかった場合、保証金や改装費用が無駄になる可能性があります。
専門家へ相談することで、こうした無駄なコストや開業の遅れを防ぐことができます。
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まとめ
風営法における場所的要件は、主に用途地域と保全対象施設からの距離制限の2つが大きな柱です。 これらの立地条件をクリアしていなければ、どれほど内装を整えたり、スタッフを準備したりしても、許可が下りず営業を開始することは絶対にできません。
さらに注意すべき点は、「物件の契約を先に進めてしまうリスク」です。
立地条件の確認を怠ったまま契約してしまうと、保証金や改装費用といった大きな損失につながる可能性があります。
手続きに不安がある場合や自分での判断に限界を感じる場合には、風営法の申請業務に精通した行政書士に頼ることを検討してみてはいかがでしょうか。
法律や条例に基づいた正確な判断を得て、トラブルのない開業をスタートさせましょう。
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